症状について

腰部脊柱管狭窄症は、加齢による脊椎骨の変形によって、腰部の神経の通り道である脊柱管が狭くなってしまい、脊柱管の中を通る足へ向かっている神経を圧迫することで起こるものです。
腰部脊柱管狭窄症になると腰の痛みが起こりますが、その他にも下肢のしびれや痛み、坐骨神経痛のような痛みなどもよく現れます。
また30分程度立っていたり、200メートル程度歩いたりするとこれらの痛みやしびれが現れ、そのまま座ってしばらく休むと和らいでくる、また、歩けるようにもなる、という間欠性跛行は典型的です。
この間欠性跛行は、歳のせいかもしれないとか、仕事の疲れが溜まってきているから、というように思いこんでしまうことも多いようですが、放置してしまうことで状態はより悪化してしまいますので、周りの方なども十分に注意をされることが必要でしょう。
また、間欠性跛行が出た場合、腰を反らせるような状態にするとますます歩くことができる距離は短くなりますが、逆に手押し車を押しながらですとか、自転車に乗ったりするように前かがみになると神経への圧迫が減少して痛みなどが楽になる場合が多いようですので、知っておくとよいでしょう。
腰部脊柱管狭窄症は圧迫される部位によってタイプがあります。間欠性跛行が起きる場合でも、圧迫される部位によって症状は様々です。神経根が圧迫されるタイプでは、左右のどちらかが圧迫され、そのどちらかに、腰や下肢のしびれや痛みが出現します。
また、馬尾と呼ばれる神経の束が圧迫を受けた場合は、足のしびれ、麻痺や脱力感、排尿感や排泄障害などが出現しますが、こちらは神経根よりも症状的に重いタイプになるでしょう。
またこれら両方が出現する場合も多くあります。その他、すべり症から進行した場合にも多くのタイプがあります。腰の痛みばかりではなかなか分からないものですが、これらに当てはまる場合は、腰部脊柱管狭窄症であると考えて間違いはほぼないでしょう。