遺伝について

腰部脊柱管狭窄症は遺伝と関係があるのかというご質問を良く受けますが、この問いについては、医学的にも分からないというのが現状のようです。
しかし、現在は腰には痛みすらないという方でも、身近な方が腰部脊柱管狭窄症になってしまっている場合は、注意が必要になってくるかと思います。
医学的に遺伝が関係しているかどうかは、今のところ不明な部分がありますが、先天的な原因として、生まれつき脊柱管が狭いという方は多くいらっしゃいます。
しかし、骨が狭くなっているだけで、その状態が遺伝するという説は聞いたことがありません。腰が弱い、あるいは骨が弱い体質の方は遺伝することがあるかもしれませんが、ほとんどの場合は、遺伝的な要素というものは考えられないと思います。
しかし、自分と同じような生活環境、生活様式にいる人の多くが、腰部脊柱管狭窄症になっていたとしたら、やはり注意が必要だと思います。
同じ環境下にいる場合、体の不調がないかなど、周りの人に確認してみるのが良いと思います。もしかしたら、あなたと同じような体の不調に悩まされているかもしれません。
また、同じ環境下にいたとしても、使う椅子が違ったり、作業時間が違ったりする場合は、腰椎にかかる負荷は人によって変わってきますので、周りの環境を注意してみることも大切です。
ですが、腰部脊柱管狭窄症を発症する多くの方は、後天的な原因の方が圧倒的に多いですので、腰や足への負担を軽減させる工夫をすることが大切ですし、これらのことをすることで、予防にも繋がってきます。
しかし、腰部脊柱管狭窄症の予防を充分に行っていたのにも関わらず、発症してしまうこともあります。腰部脊柱管狭窄症はほんの少しの油断ときっかけで発症してしまうことが常です。
しかし、前向きに予防していた人と、突如として腰部脊柱管狭窄症を発症してしまった人とでは、治療に対する姿勢も大きく変わってくると思います。
やはり、以前から予防していた人の方が、治療に対して前向きになれるのではないかと思います。腰部脊柱管狭窄症を治すには、かなりの根気と治療を継続できる力が必要になってきます。
よく、いつまで経っても症状が改善されず、半ば諦めてしまう患者さんが多くいますが、正しい治療を根気よく続けていけば、必ず改善出来る病気ですので、最後まで諦めずに治療を続けて欲しいと思います。