合併症について

腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアを起こすと、坐骨神経痛が合併する場合がほとんどです。腰部脊柱管狭窄症は神経の通っている脊柱管が狭くなることでおこりますが、主な原因は加齢による脊椎骨の老化によるものがほとんどで、中高年以上に多くみられる病気です。
また、腰痛全般に言えることではありますが、特に腰部脊柱管狭窄症は、普段から運動をしないために筋力不足になっている方、また普段から腰を激しく使うような作業が多い人などにがかかりやすい傾向にあります。
腰部脊柱管狭窄症の主な症状は、立ったり歩いたりしている時に足がしびれたり、どんどん足が重くなってきて痛みが生じる、加えて腰の痛みや足のしびれといった特徴があります。
また、数百メートル歩くと腰の痛みで歩けなくなりますが、少し休むとまた歩けるようになる状態を、「間欠性跛行」といいます。これは、腰部脊柱管狭窄症のもっとも特徴的な症状の一つです。
また、椎間板ヘルニアも同様に神経系のトラブルを引き起こします。腰の痛み以外には、せきやくしゃみ程度でも下肢痛や臀部から足にかけて激しい痛みがある・腰から足先がしびれる・感覚障害・筋力低下等が特徴です。
腰部脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの合併症の場合、上体を反らしても前かがみになってもどちらも症状がよくならないため辛いです。腰部脊柱管狭窄症は後ろに反らすと痛みが出ますが、逆に椎間板ヘルニアは前傾姿勢をとると痛みが出るのです。
合併症を引き起こしている場合は、椎間板から飛び出した髄核と狭くなった脊柱管と両方で神経を圧迫することになり、症状もひどくなる傾向にあります。
症状が軽い場合は鎮痛剤などで痛みを抑え、コルセットや腰痛ベルトで固定して安静にします。また、ブロック注射により神経や神経の側の痛みの元となっている箇所につながる神経ブロックに対し局部麻酔薬を打って痛みを抑えます。
また、状態がどんどん悪くなると日常生活に支障がでます。立っているのが辛かったり椅子に座っているのも辛い、立ち上がるのが辛い等、普通の動作すら困難になります。
ここまで悪化すると、かなりの重症で手術が検討されることになります。しかし、手術は体に負担を掛けるだけでなく、再発のリスクがとても高いためあまりお勧めできるものではありません。
そうならないためにも日頃から運動して筋力を鍛えたり、姿勢をよくして予防することがとても大切になってきます。
