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椎弓切除術について


腰部脊柱管狭窄症の治療の基本は保存療法とされています。つまり、腰部脊柱管狭窄症は対症療法によって自然な治癒力や薬の効果を期待します。

しかしながら、腰部脊柱管狭窄症は軽度から中程度の症状を越えた状態になりますと、日常生活もままならなくなり、そのままでは入院し続けるしかないというような状態になることもしばしばですので、手術することを検討します。

腰部脊柱管狭窄症患者さんに対して、レントゲンやMRI、脊髄造影やCTなどの検査をして、様々な角度から治療法を検討しますが、その結果、手術をするのがもっとも良いと決断されます。

手術の方法としては椎弓切除術がよく用いられます。部分椎弓切除術をするケースも多く、昔であれば椎弓という脊髄神経にある後方の骨を全部取っていましたが、最近ですと部分椎弓切除術と呼ばれる椎弓の一部を削る手術が主流となっています。

顕微鏡などを用いて、片側の椎弓のみを削る方法で神経への圧迫を取り除きます。また術後の骨の変形や痛みなども考慮してから行っていきます。

腰部脊柱管狭窄症の部分椎弓切除術の場合、全身麻酔あるいは腰部麻酔をします。そして、うつ伏せになり、背中の3センチほどの皮膚切開を行います。

また、骨についている筋肉をはがしながら、腰椎の椎弓を操作出来るようにします。その後、椎弓の一部を特殊なドリル装置で削ります。

また、神経の後ろにある靭帯を切開して、神経を確認し、圧迫している場合は骨を摘出します。最後に圧迫が無いことを確認すれば、皮膚を縫って終了となります。

そして、椎弓切除術の術後3日ほど経てばリハビリが出来るようになります。腰部脊柱管狭窄症のリハビリはまず、短距離の歩行訓練からになります。ここからは、その人の努力によって、腰部脊柱管狭窄症を改善できる速度も違ってきます。

腰部脊柱管狭窄症のリハビリは歩行訓練から始まり、それがクリア出来るようになると、体のアンバランスを少しずつ整えていきます。腰部脊柱管狭窄症になると、痛みが激しいため、どうしても体の部分、部分を無意識にかばってしまうため、本人が気が付かないうちに体のアンバランスを引き起こしてしまいます。

この体のアンバランスを整えたのち、腰部周りの筋力強化に入っていきます。主な筋力強化としては、まずは腰を支えている脚の筋力をつけていきます。これは歩行訓練をしていると自然についてきますが、その他に器具などを使って徐々に鍛えていきます。

そして、次に強化していくのが腰部周りの筋力群である、腹筋、背筋です。ですが、無理に行うとすると、腰部脊柱管狭窄症が再発してしまう恐れもあるため、最初は腹式呼吸など簡単なトレーニングから実施していきます。

ある程度、筋力がついてきたのを確認してから、本格的に腹筋や背筋を鍛えていくことになるかと思います。体のアンバランスを整え、腰部周りの筋力がある程度ついてくれば、腰部脊柱管狭窄症はかなり改善してくるはずです。

腰部脊柱管狭窄症はとても辛い病態です。少しでも早く腰部脊柱管狭窄症に気づいたら治療を行い、出来ることなら手術(椎弓切除術)などを受けないことが望ましいと言えます。

中川式腰痛治療法