開窓術について

腰部脊柱管狭窄症の手術の方法として、開窓術があります。開窓術は腰部脊柱管の圧迫を取り除く方法ですが、非常に技術を要するため、日本でもあまり頻繁に用いられる方法ではありません。
椎弓切除術が椎弓全体を削り取るのに対して、開窓術は症状を引き起こす神経を圧迫している部分のみを削り取ります。つまり、不要な部分を出来るだけ残す手術です。
全体を取り除くことで、腰部脊柱管狭窄症による圧迫は確実に取り除くことが出来ますが、開窓術手術の場合は、より上手くいかなければ圧迫されたままで腰部脊柱管狭窄症の症状が改善されないケースもあり得ます。
また、開窓術では患者の体に負担が大きいということもあり、最近では幅15mm程度の筒を神経がつぶれている部位に挿入して、内視鏡あるいは手術用顕微鏡を用いて神経の圧迫をとる方法が主流になっています。このことで、腰部脊柱管狭窄症による入院期間の短縮、つまり早期の社会復帰ができるようになっています。
椎弓切除術では腰部脊柱管の中の神経を圧迫している骨や靭帯などの部分を取り除きますが、腰部脊柱管の背中側にある椎弓を必要に応じて部分的に、または広い範囲で切除しますので、手術後に腰部脊柱管狭窄症が再発する可能性もより低くなります。
また脊椎固定術では、狭窄をおこしている、腰部脊柱管の除圧を行わなければならない部位に切開を入れて、最初に神経を圧迫する骨や靭帯などを取り除きます。その後で骨盤から採ってきた骨を固定する範囲の周辺に移植のために置いて、それと固定する範囲の脊椎とを癒合させます。
これらの手術方法のいずれを選択したケースでも、腰部脊柱管狭窄症のリハビリ方法は変わりませんが、やはり患者への負担の大小があります。内視鏡手術では一般に一週間で退院することが可能になってきますが、切開が大きくなれば一ヶ月程度のリハビリと入院が必要になってきます。
腰部脊柱管狭窄症の手術の方法は最終的には医師が決断しますが、患者の側からも意見をいい、よくコミュニケーションをとって、入院期間などの意見を取り入れながらどのように腰部脊柱管狭窄症を治すのかを決定していきます。