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合併症について


腰部脊柱管狭窄症と診断された場合、ほとんどは保存療法を適用して治療を開始します。また、腰部脊柱管狭窄症の症状が重い場合は、手術を適用する場合もあります。

腰部脊柱管狭窄症の手術においては、患者の体力と術後の経過の関連をチェックしたり、患者自身の心の準備をすることも必要です。また、腰部脊柱管狭窄症の術後の合併症の可能性についてもチェックをします。腰部脊柱管狭窄症の椎弓切除術は、多くの脊椎医師が用いる一般的な方法です。

また、その術後は、おおむね良好でしたが、一部の腰部脊柱管狭窄症患者さんでは背中の筋肉を脊椎からはがすことで筋肉が傷ついてしまって、背筋力の低下が著しく起きたり、腰の痛みが残ったりもするようです。

または棘突起や背骨の靭帯などの背骨を支えている組織を傷めてしまうことで、術後に脊柱が曲がってしまったりという合併症の可能性も指摘されています。

このため、これらの組織を温存するような新しい方法を採るところも多いようです。椎体間固定術では、除圧と固定を行うことによって神経を圧迫している部分を切除して、その後に患者自身の骨や人工の骨を挿入することで固定をします。

スクリュ状の医療素材や金属プレートなどで安定性をより高めるインストルメンテーション方法を採る場合もありますが、主な合併症例としては、移植する骨を採取した部分(主には骨盤)における血腫や感染、痛みや感染症状、前方切開アプローチの場合の深部静脈血栓症、周辺の大血管、臓器の損傷や、固定用に用いたスクリューの折損、後方切開アプローチの場合では脊髄や神経根の損傷、脊髄を覆っている膜に孔があいてしまって脳脊髄液が漏れて止まらなくなってしまい、再手術などが必要になる髄液瘻、スクリュー、ロッドなどの折損があります。

合併症は術後により安静にすることで回避できるものもありますが、中にはしょうがない、というケースもあり得ます。このようなことから、術後の経過は改善のためにはとても慎重にならざるを得ない部分です。

やはり、腰部脊柱管狭窄症の手術には、かなりのリスクが伴うものです。半年以内の腰部脊柱管狭窄症の再発率は60~70%とも言われています。ですが、現状の痛みが取れるならと手術を希望される方もいるようです。

そのようなリスクがあることを覚悟して望む方はいいですが、あまりにも期待をしてしまい、術後に肩を落としてしまう方もいるようです。

このように考えると腰部脊柱管狭窄症の手術について再度考える必要があるのではないかと思います。その他に腰部脊柱管狭窄症を改善するなら、運動療法が一番効果を発揮すると思われます。

腰部脊柱管狭窄症の運動療法にも様々ありますが、主にストレッチや体操などが挙げられます。ストレッチは体のバランスを整えるだけでなく、筋力アップ、血行の改善などの効果があります。

ストレッチを実践して手術をしなくて済んだなどの報告も聞きますので、まずは運動療法を試されるのも一つの手かと思います。腰部脊柱管狭窄症は早期発見と早期治療が改善の早道になります。少しでも腰に痛みなどを感じたら、医師の診断を受けることをお勧め致します。

中川式腰痛治療法