腰部脊柱管狭窄症は背骨の腰の部にある脊柱管が様々な原因で慢性的に狭くなってしまい、馬尾や神経根といった神経が圧迫を受け痛みなどの症状が出現する病態です。また、腫瘍や感染症などによる神経の圧迫がある場合は、腰部脊柱管狭窄症とは呼ばれません。
またその病態は様々ですが、加齢による脊椎の変性が原因であるものが多く、先天的に腰部の脊柱管が狭い場合もありますが、その場合は若年層から発症するケースがほとんどです。
ここ最近で、若年層から発症するケースとして有名になったのは、2012年の1月頃にニュースで報道された、
EXILEのNAOKIさんが発達性腰部脊柱管狭窄症で手術をするというものです。
NAOKIさんは27歳という若さで腰部脊柱管狭窄症を発症されました。原因としては生まれつき脊柱管が狭かったこと、また、日頃から激しいダンスを踊っていたことが引き金となり、腰部脊柱管狭窄症を発症してしまったものと思われます。
プロのパフォーマンスの方ですから、それなりにきちんと体のケアをしていたとは思いますが、様々な要因が重なり、腰部脊柱管狭窄症を発症してしまったものと思われます。
腰部脊柱管狭窄症の病態生理の定義としては、以下のものです。腰部脊柱管の狭窄の程度は腰椎の屈曲位で軽減しますが、伸展位では強くなるため、症状は腰椎伸展位で出現、増強します。
つまり腰部脊柱管狭窄症では下肢の痛みやしびれなどの症状が姿勢に依存することが特徴です。また、その典型的な症状は間欠性跛行です。
間欠性跛行は、一定の距離を歩くとしびれなどが起きて歩くことが出来なくなりますが、しばらく前かがみの状態で休むことでまた歩くことが出来るようになるというものです。
また歩くことと同様に、立位でも同様の症状が顕著です。腰部脊柱管狭窄症のタイプは、神経根が圧迫を受けるものである神経根型、または馬尾が圧迫される馬尾型、そして両方が圧迫される混合型があります。
その他にも重症で分類が困難な例も存在します。最近では神経が圧迫を受けることで、微小血流の障害が症状を起こす原因とも推測されています。
腰部脊柱管狭窄症の治療において大切なのは、まずは神経を圧迫するような動作や姿勢を避けることです。
特に背中を反らせるような姿勢は腰部の脊柱管をより狭窄くしてしまい、神経を圧迫します。対症療法として腰部の脊柱管を広くするためには、歩く時には前かがみの姿勢を心がけます。
また症状が出る前に休憩をとったり、杖や手押し車、自転車などを使うなどの工夫をすることで、症状がかなり軽減出来るようになります。